新年、明けましておめでとうございます

   当法人は、発足してから20年が経過しました。多くの方々のご支援もあり、海外の子どもたちへの車椅子の送付台数も1万台に近づきつつあります。しかし、コロナ感染の拡大とロシアによるウクライナ侵攻は、私たちの活動にとって逆風となり大きな壁として立ちはだかっています。

 具体的には、車椅子整備活動の参加人数の制限、あるいは活動そのものの休止、それによる大幅な作業進行の遅滞をまねき、未整備での出荷を余儀なくされました。車椅子を未整備で送り出した国はモンゴル、パキスタン、タイ、マレーシアの4か国です。このことでどうにか車椅子在庫の飽和を避けることができています。一方、紛争により、コンテナの手配、運送費の急激な上昇が財務上の危機を増大させています。

 そうした窮状ではありますが、最大のニュースはウクライナに送り出すことができたことです。第一回目は在日ウクライナ人からの緊急要請で12台を送りました。第二回目は、大人用車椅子を送るNPOと協働での10台です。現地からは、どうしても子ども用車椅子が欲しいとの要請があることから、すぐに対応しました。現在でも第三回目の声が届くことを想定し、準備をしています。

 本来の送付計画の進行どおりに進まなくても、紛争地域からの要望があれば即時対応をいたします。この活動の原点も、覚悟をもって発足した以上、できるだけのことは試みる姿勢をくずすことなく力を尽くしていきます。

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年 元旦 森田 祐和



伊豆の国市に在住のM氏から届いた初富士です。

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  2022年最後の例会を開催しました。

 2022年12月25日(日)に、今年最後の例会を開催しました。集まってくれたのは、ベトナムチーム6名と一般ボランティア1名、スタッフ4名の合計11名でした。東京都におけるコロナの新規感染者数は、12月23日時点で15,403人でした。これまでの基準を当てはめると、例会の開催も難しいと考えざるを得ない感染者数でした。続きを読む、、、

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  パラグアイから報告書が届きました。

 2022年3月にパラグアイ向け90台を積載した船は東京港を出て、8月11日に受け取り手であるアスンシオン・ビラモラ・ライオンズクラブに届きました。足掛け6か月の長旅でした。その車椅子のすべてと一緒に贈られた他の物品を子どもたちや病院、施設などに供与したと、ライオンズ・クラブから報告がありました。今回の贈呈は下記の品々です。
 1) 子ども用車椅子 90台
 2) お絵描き帳 30冊
 3) クレヨン 24箱
 4) クッション 48個
 5) 毛糸の手袋 30双
 6) 毛糸の帽子 30個
 7) ネックピロー 18個
車椅子以外はONEジャパンの支援で贈られたものです。

受け取り手であるアスンシオン・ビラモラ・ライオンズクラブから下記の書類が届きました。
 1)表彰状
 2)お礼の手紙
 3)報告書
 4)新聞記事
 5)配布先リスト(個人情報のため未掲載)
 6)子どもたちや贈呈の様子の写真(下記に掲載)

<報告書の概要>
・障害を持つ子どもたちとその親たち、病院の責任者、ライオンズクラブ関係者、
 および新聞やテレビなどのメディア関係者等を招いて記者会見を開催した。
・記者会見の場には今回の贈呈品を展示した。
・車椅子の引き渡しに当たっては、医師の診断、家族の経済状況を把握して供与を決定した。
 また受け取り手の身分証明のコピーを提出してもらった。
・ライオンズクラブのメンバーには、自分の地域に車椅子を必要としている低所得者層
 家庭の子どもたちを探し出すよう指示が出され、多くの要望者が見つかった。
・家庭の子どもたちだけでなく、病院や福祉施設などへも車椅子が供与された。
 これらにより配布先はパラグアイ全土に展開された。
・8月16日の「こどもの日」の前に届いたクレヨンなどは、病院で治療を受けている
 子どもたちに贈り、大変喜ばれた。
・今回の贈呈に当たって、当会及び「東京昭島中央ロータリークラブ」、「ONE
 ジャパン」、そして駐日パラグアイ大使および大使館が連携して支援をしてくれた
 ことに感謝する。

(以下は報告書の最後にあるコメント)
「今回の活動は、最も支援を必要としている人々、とりわけ都心から遠く離れた場所に住む、障害を持つ子どもたちの世話をする団体からも忘れられている人々に手を差し伸べるという目標を完全に達成したと考えています。私たちにとって、この活動は多くの感激を伴う新しい経験でした。アスンシオン市ビヤ・モーラ・ライオンズクラブの会員に対して寄せられた期待と信頼に応えられたと思っています。」

(所感)
 今回届いた表彰状や報告書は非常に丁寧な内容のある文書でした。車椅子が届いてからの現地での様子を詳しく知ることができました。地球の反対側にもかかわらず子どもたちの様子やライオンズクラブの皆さんの活動がよく分かります。
 この活動の実現に東京昭島中央ロータリークラブとONEジャパンの支援は不可欠でした。そのことを現地が理解してくれていることも当会の喜びです。

 また、このプロジェクトについては、駐日パラグアイ大使と大使館員の人たちの支援も頂いています。特に、ラウル・アルベルト・フロレンティン・アントラ駐日パラグアイ特命全権大使は、車椅子のコンテナーへの積み込み作業にわざわざ出向いてくださり、丁寧なお礼の言葉を森田会長にくださいました(詳しくはこちらから)。このように各方面からの支援を頂戴して実現したプロジェクトですので、受け取った後の丁寧な車椅子の扱いを知って、次も同様の支援を得てまたパラグアイのライオンズクラブに贈りたいと思う次第です。

2022年12月15日      事務局



〇現地からの写真
写真をクリックすると大きくなり、連続してみることができます


コンテナーから降ろされた車椅子がライオンズクラブの施設内に並べられました。


記者会見の様子です。


(左)受け取る子どもの名前が書かれた紙が車椅子に貼られています。
(右)車椅子を受け取った親子がライオンズクラブのスタッフと記念撮影です。


(左)車椅子を受け取った子どもと両親。
(右)当会、東京昭島中央ロータリークラブ、ONE、パラグアイ駐日大使館の旗を掲げて記念撮影してくれています。


車椅子に乗る子どもたちです。今日から新しい生活が始まります。


(左)サン・ペドロのイタクルビ・デル・ロサリオにおける記念式典
(右)車椅子に乗り、街を移動する親子


(左)個別の家庭への車椅子の輸送
(右)車椅子で喜ぶサニー・マベル・ラモスちゃん

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  第八波と言われる中でミニ例会を開催しました。

 2022年12月11日に通常のミニ例会を開催しました。比較的あたたかな日曜日に集まってくれたのは相模女子大チームの2名とベトナムチームの4名及びスタッフ5名でした。
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  コロナ禍ですが、スタッフだけでミニ例会を開催しました。

 コロナ禍になってからは、大人数での例会開催はできないので10名程度のミニ例会を第2、第4日曜日に開催するよう進めてきました。メンバーは、新規の参加者はできるだけ避けて常連の相模女子大チームとベトナムチームに絞って声をかけて参加してもらいました。
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 BIKE&CAMP KANTOU 22に参加しました。

 「BIKE&CAMP KANTOU 22」は、当会の車椅子整備にボランティアとして参加してくれている山下さんが実行委員長を務めるイベントです。「BIKE&CAMPは日本で唯一の自転車とキャンプをテーマにした『旅イベント』です。自転車イベントではありません。キャンプイベントでもありません。旅人が集まる旅イベントです。」と同イベントのホームページに紹介があります。11月19、20日の二日間にわたって茨城県の霞ケ浦湖畔で開催されました。

 広大な会場敷地の中で多くの来場者が自転車とキャンプを楽しんでいました。山下氏からの声掛けで、そんなイベントに当会からスタッフが会場に出かけてブースを出しました。子ども用車椅子を1台とパネル、および募金箱をイベント本部の横に置かせてもらいました。パネルを見て興味を持ち資料を受け取ってくれる来場者や出展者がいました。日頃募金箱を置いての募金活動はあまり行わない当会ですが、少額とはいえお金を入れてくれるたびに感謝の念がわいてきました。

 夜には最大のイベントである「オークション大会」が開催されました。イベントへの出店メーカーや販売会社が、実行委員会に様々な自転車やキャンプ関係のグッズを寄付してくれて、それをオークションで競り落とすのです。グッズは、参加者の皆さんにとっては憧憬の的です。そして、オークションで集まったお金のすべてが実行委員会から当会に寄付されました。その金額は数十万円です。ブースを出させてもらうだけでなく、オークションのお金を寄付していただき、本当にありがたいです。

 来場者の皆さん、出展者の皆さん、山下さん、実行委員の皆さん、有難うございました。皆さんからの寄付金を活用して、一台でも多くの車椅子を海外の子どもたちに届けたいと思います。  なお、イベントについてはこちらからどうぞ

2022年11月24日  事務局


写真をクリックすると大きくなり連続して見ることができます。
〇イベント会場の様子

(左)BIKE&CAMPの本部全景です。アルコールも準備してあります。テントの左側に当会の展示ブースがあります。
(右)本部ブースの左に車椅子、会のパネルと募金箱を置きました。なお、当会のイベントにおけるミッションは、テーブルの左側に置かれている「レンタルヘルメット」担当です。自転車の試乗を希望する来場者でヘルメットが無い人には志を頂いて貸し出しをします。その志のお金も当会に寄付金として渡されました。


(左)開場を前に出展者やスタッフに挨拶をする山下氏です。
(右)開場と同時に続々と来場者が入場手続きに本部前に集まってきました。


(左)霞ヶ浦湖畔にあるオランダ風の風車を背景にテントを張ります。
(右)紅葉も進む湖畔でのテント群です。


食べ物販売やグッズ販売のお店がたくさん出ていました。


(左)親子で自転車試乗を楽しむ来場者です。
(右)夜のイベントで熱い思いを語る山下氏です。当会の紹介もしてくれました。感謝です。


寒い中でしたが参加者期待のオークションが始まりました。寒さを吹き飛ばすように熱く盛り上がりました。


関係者全員での記念撮影です。楽しい2日間でした。皆さん、お疲れさまでした。

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  ブルームバーグの皆さんと例会を開催しました。

 2022年11月22日(火)午後一時からブルームバーグの皆さんと清掃作業を行いました。11名の参加で、皆さんは午前中に都内の会社で仕事を済ませ、マイクロバスの車中で昼食をとり、当会の倉庫に来てくれました。  続きを読む、、、

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  パキスタンへ37台を送りました。

 NPO法人さくら車いすプロジェクトを運営する「有限会社さいとう工房」の 斎藤 省 氏から、パキスタンの「マイルストン特別な人のための協会」に電動車椅子を送るが、一緒に子ども用車椅子を送りたいので提供してもらえないかと2022年9月に打診がありました。

 子ども用手動車椅子37台と子ども用電動車椅子を5台準備して、コンテナー積込み地の坂東市へ届けました。手動の車椅子は、清掃・整備を十分に行う時間が無かったのできれいな状態のものを選んで梱包までをミニ例会で完了させて送りました。電動車椅子は、斎藤氏に渡して、以降の整備等はお願いしました。パキスタンの受け入れパートナーが自分で清掃・整備できるとのことです。

 坂東市でのコンテナー積込みは10月15日に行われました。残念ながら当会からの参加者はありません。全てさくら車いすプロジェクトの関係者で行ってもらいました。電動車椅子130台(この内5台は当会から)、バッテリー200個、子ども用車椅子37台がコンテナーに積み込まれました。コンテナーはその日のうちに横浜港のコンテナー・ヤードに運び込まれ、10月27日(木)の16:20にパキスタンのカラチ港に向けて出発しました。カラチに到着するのは11月13日の予定です。
 
 パキスタンへの発送は2022年4月に続いて本年度2回目です。今回の37台を加えて117台をマイルストン特別な人のための協会へ送ったことになります。同協会は高い技術力と力強い組織力があるので今後も車椅子を送り続けたいパートナーです。

2022年10月30日      事務局

〇坂東市におけるコンテナー積込みの様子

(左)梱包されて緑色のテープが巻かれているのは、積込みを待つ子ども用車椅子です。
(右)子ども用車椅子が一番奥に積み込まれました。


(左)コンテナーの中に棚を作って積み込み効率を上げます。
(右)棚を利用して電動車椅子130台、バッテリー200個、手動子ども用車椅子37台が積み込まれました。


40フィートコンテナーへの積込み、お疲れさまでした。
左から5人目がさいとう工房社長でさくら車いすプロジェクトの責任者の斎藤さんです。

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  最小人数5人のボランティアと例会を開催しました。

 2022年10月23日(日)に、これまでで最も少ない人数の、文字通りのミニ例会を開催しました。この日集まってくれたのはいずれも常連の相模女子大チーム2名とベトナムチーム3名、スタッフ4名の合計9名です。 続きを読む、、、

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  さくら車いすプロジェクト10周年

 NPO法人さくら車いすプロジェクトは、これまで当会と連携してパキスタンやモンゴルに車いすを送ってきました。同プロジェクトは、電動車いすの生産・販売事業会社「有限会社さいとう工房」を経営する 斎藤 省 氏が、1999年から始めた活動がその起源です。当初は車いすの修理方法や製造方法を教えに行くことが活動の主な内容でした。

 その活動が10年を経過したさくら車いすプロジェクトは、アジア・中米等の障がい者の自立生活支援を目的として2011年にNPO法人として認証を受けました。その背景には障がい者団体と車いすの業界団体、在日パキスタン有志の協力がありました。

 NPO法人さくら車いすプロジェクトは、受け入れ態勢が整った国に中古車いすの提供と、技術の伝承をセットにしていることが特徴です。通常は手動の車いすを送付しますが、既に自国で車いす製作が始まったパキスタンにおいては、電動車いすに特化してコンテナーで送付し、現地に車いすが到着すると整備技術ワークショップを開催しています。電動車いすは、全国の利用者から中古の車いすを提供してもらっています。

 同プロジェクトが技術伝承のために訪問した国は9ヵ国で、手動車いすのコンテナー輸送はネパールとモンゴルに送り、パキスタンには電動車いすを2022年9月末現在で20回のコンテナー発送により1,300台程の電動車いすを送っています。また、それに合わせて現地で15回の技術セミナーを行っています。(残念ながらコロナ禍のためにこの3年は行くことができていません)

 電動車いすは、当会が海外に送る子ども用車いすに比べてはるかに複雑な機器です。発展途上国では、故障すると修理をするための技術や部品入手が困難な場合が多く、また、修理技術に加えて障がい者一人ひとりに合わせたフィッティング技術がないと、車いすが身体に合わず二次障がいを起こしたりします。そのために、貴重な電動車椅子が修理できないまま使われなくなってしまいます。それを少しでも回避し、その国の障がい者に適した整備技術を習得してもらい、自ら整備し、障がい者自身の自立に利用してもらうことを目的としているのがこのプロジェクトです。人材育成を主眼に置いているのが大きな特徴です。

 そのプロジェクトが発足以来10年を経て、2022年10月19日(水)にさくら車いすプロジェクトが拠点としているさいとう工房の社屋にて活動報告会を兼ねた記念イベントが開催されました。その来賓には、パキスタンで斎藤氏の理念を具体化し成功しているMilestone Society for Special Personsの代表Shafiq Ur-Rehman(シャフィック)氏がこの日のためにパキスタンから駆けつけていました。その他の来賓には、パキスタン大使館、外務省、JICA、ダスキン愛の輪基金(アジア太平洋地域の国々の人材育成支援活動を推進)、など同プロジェクトを支援する多くの人々の出席がありました。

 当会も、これまでの経緯から招待を受け森田会長と理事一名が参加しました。森田会長は会を代表してお祝いの挨拶をしました。同プロジェクトが推進する人材育成、技術支援、現地での組織化は、非常に先進的であり、どこの団体にも見られない優れたものです、と称賛の言葉を送りました。

 最後に、シャフィック氏と斎藤氏に対して今後もパキスタンを始めとして多くの海外発展途上国に、同プロジェクトとの連携を強化して車いすを送り続けることを約束しました。

2022年10月24日      事務局



多くの出席者が集まりました。全員での記念撮影です。


 活動報告と支援へのお礼を述べる斎藤氏      記念式典の会場の様子          


  パキスタン大使館のHafiz氏         お祝いの挨拶をする森田会長 

    
(左)Milestone Societyのシャフィック氏と記念撮影
(右)これまでのパキスタンへの支援に対するお礼の盾が、シャフィック氏から関係団体の代表者に贈られました。「70th」は、パキスタン-日本国交樹立70周年を表しています。

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