明けましておめでとうございます
当NPOが発足して20年の歳月が流れました。多くの方々のおかげで26か国に子ども用車椅子10,000台を送り届けることができました。最初は霧の中を進むような気持ちで立ち上げ多くの仲間とともに手探りでした。試行錯誤の連続でしたが、周囲の支えがあったことで継続事業として成り立っているといっても過言ではありません。
この節目となる本年は、初心に立ちかえり、活動の流れをスムーズにいくようにしていきます。技術面ではタイヤ、ブレーキ面に力点をおき、整備は軽微な車いすを中心として台数を引き上げます。
送る国も過去にお届けしていない国や相手国の国内事情が不安定であるところにも挑戦していきます。前例にならうことなく、新しい試みに未来があると思うからです。脱皮が進化かもしれないと思い至ります。
子どもたちへの未来が、明るくなるように私たちは力を持ち寄り、海外に車いすを送り出していく、その姿勢と行為こそが具体的な回答です。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2025年 元旦 森田 祐和
ウクライナ向け15台を積んだ船が東京港を出ました。
当会からの車椅子15台と日本全国からのウクライナ向けの多くの支援物資を積載したコンテナー船は、12月31日の早朝に東京港を出ました。2025年2月15日頃にポーランドのグディニャ港に到着する見込みです。
今回のコンテナーは、ウクライナ大使館の手配によるものです。日本全国から届いたウクライナへの支援物資は、いったんキーウにある医療支援団体フューチャー・フォー・ウクライナ(FFU)に届けられます。同団体は、ロシアの侵攻後にポーランドに逃れたウクライナ人が立ち上げた組織です。支援物資には当会からの車椅子も含まれています。
車椅子は、そこから今回の最終目的の組織である「Misto Dobra」(英語でCity of Goodness)に届けられる予定です。同組織は、ウクライナ西部に位置する都市チェルニウツィーに拠点を置いています。
今回の15台の車椅子は、2024年10月6日の臨時の作業例会で整備作業を行いました。その後、10月16日にウクライナ向け支援物資が集約される埼玉県川口市の倉庫に、木箱に入れて搬入しました。
倉庫に無事に搬入できたのですが、コンテナーへの積み込み日程がなかなか決まりませんでした。理由は、コンテナーが支援物資で満杯になるまで待っていたからです。倉庫に支援物資が集まった2か月後の12月23日にようやくコンテナーへの積み込みが行われました。
このような経過で、今回の出航にこぎつけることができました。ポーランドまでは、2か月を要します。さらにポーランドからキーウ、そして最終地チェルニウツィーまでの所要時間は予測できません。少しでも早く車椅子が子どもたちに届くことを祈るばかりです。
なお、これでウクライナに送った車椅子等は、128台となりました。贈呈実績グラフは、こちらからご覧ください。
2024年12月31日 事務局
〇積み込みの様子です
東京港からの出発に先立って、12月23日に埼玉県川口市にあるウクライナ支援物資が集約されている倉庫でコンテナーへの積み込みが行われました。
(写真の見方)掲載されている写真をクリックすると、拡大してみることができます。
(左)ウクライナ向け支援物資が入っている倉庫です。右端のシャッターから運び出します。
(右)定刻に40フィートコンテナーを引いたトラックが倉庫に到着しました。
(左)倉庫内は、日本全国から送られた支援物資で満杯状態でした。
(右)順次、物資を倉庫から取り出してコンテナーに積み込んでいきます。
可能な限り多くの物資を積み込むために、事前にコンテナーの寸法に合わせた大きさに荷物がまとめられています。荷物の高さは、コンテナーの高さぎりぎりになっています。
(左)当会からの車椅子が入った木箱の番が来ました。
(右)ウクライナ支援に奔走しているレーシャさんと記念撮影です。レーシャさんが抱えているのは「二人乗りのバギー」です。10月の例会に参加したヴァレリヤさんから「二人乗りのバギーがあったら是非ウクライナに送って欲しい」と要望のあったものです。追加で梱包し、今回のコンテナーに積込んでもらいました。
木箱詰めの車椅子は、最後に積み込まれました。コンテナーの開口部にきっちり入りました。
車椅子の木箱の上にはまだ空きスペースがありました。そこにも他の荷物を押し込み、積載率99%と思わせる積み込みが完了しました。
越谷特別支援学校から10台の車椅子の提供です。
12月もかなり押し詰まった26日に埼玉県越谷市にある越谷特別支援学校から車椅子5台、バギー3台、座位保持2台、を引き取りました。 同校からの車椅子の提供は、2019年の37台、2021年の2台以来となりました。コロナ禍が影響して、しばらくお休みとなっていたようです。
車椅子は、同校の広い運動場の横にある倉庫に保管されていました。車椅子を載せるトラックは4トン車なので倉庫前までの狭い道を入っていくことができません。そこで学校の先生とPTA役員、当会のスタッフで車椅子を広い場所に移動してトラックの到着を待ちました。
年末のためか道路の混雑でトラックの到着が遅れましたが、到着するとあっという間に積み込みが終わりました。PTA役員の平井さんからは、今後収集依頼をするときは、近隣の支援学校とも連携してできるだけ台数を多くできるように頑張りますと力強い言葉をいただきました。
手伝ってくれた熊野先生と平井さんに「これらの車椅子はネパールに届ける予定です」とお伝えして、みんなでトラックを見送りました。皆さん、有難うございました。
2024年12月27日 事務局
〇積み込みの様子です
(写真の見方)掲載されている写真をクリックすると、拡大してみることができます。
(左)引き取りの車椅子を前に熊野先生(右男性)とPTA役員の平井さん(左女性)です。
(右)トラックが到着しました。近くに住むスタッフの友人が手伝いに来てくれました。
森田会長がNHKラジオに出演しました。
2024年12月13日(金)18:00からのNHKの夕方の番組「Nらじ みんなのエンタメ」のコーナーで当会の紹介をしました。
以下は、NHKのホームページに表示されている番組の紹介文です。
▼みんなのエンタメ『子ども用車いすを海外に届けたい』 /NPO法人 海外に子ども用車椅子を送る会 会長 森田祐和さん
国内で使われなくなった子ども用の車いすを海外の子どもたちに送り届ける活動についてお伝えします。今年20年目を迎え、これまでに26か国に1万台を超える車いすを送り届けてきたといいます。活動を始めたきっかけは?どんな想いで活動をしているのか?
この番組のネット配信は終了しました。
番組の中では、活動の基本である車椅子の収集、ボランティアの皆さんによる清掃・整備・梱包、そしてコンテナーでの輸送について森田会長が説明しました。また、活動には在日のベトナム人やエチオピア人なども来てくれることやその国の料理を作ってくれることなども紹介しています。国際交流の場であり、世代間交流の場となっていると説明しました。
また、ソロモン諸島のサマンサさんの紹介もありました。自分の弟のために車椅子を提供してくれたことに深く感謝しているというメッセージを紹介しました。
最後に、車椅子を送っている国の受け取り手から「もう自分たちで車椅子を用意できるので、送ってくれなくてもいいよ」と言われたい、それまでは続けると締めくくりました。
2024年12月14日 事務局
年末恒例の餅つき大会の例会を開催しました。
~ 日興アセットマネジメント株式会社&三井住友トラストグループ株式会社の
皆さんをお迎えして ~
冬らしい寒さが身に染みる作業日でした。朝方は快晴でしたが、昼前に小雨が降りだして、作業の中断を余儀なくされました。しかし、参加者の皆さんの頑張りで予定通りの活動を行うことができました。
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活動20周年の年に1万台贈呈を達成しました。
2024年11月29日のモンゴル向け車椅子が東京港を出たことで、当会が海外に子ども用車椅子を送った総台数は1万台を超えました。そして、今年は当会が活動を開始して20年目の記念すべき年です。
当会は2004年6月に活動を開始しました。第1号の贈呈は、同年10月にマレーシア向けの16台です。誰も経験したことの無いことを実現しようとするため、すべてが手探りの中で始まりました。特に海外への輸出に関する知識は皆無でしたが、活動の趣旨に賛同する人の輪が広がり、無事にマレーシアに送ることができました。
以来、26か国に10,038台(2024年12月現在)を送ることができました。これは、当会の車椅子清掃・整備を支えてくれる多くのボランティア、車椅子を提供してくれる関東近県の特別支援学校のPTAの皆さんと先生方、全国から個々に車椅子を届けてくださる保護者の皆さん、そして高額な海外への輸出費用を支えてくれている会員の皆さん、企業・団体の皆さん、こうした支援の輪があって達成できた1万台です。
活動のきっかけは、私自身が癌を患い医師から言われた「余命1年」です。「死ぬまでに世の中に役立つことをしたい」という思いから始めました。このように20年も継続し、1万台以上の車椅子を送ることができるとは思っていませんでした。
私自身の癌も完治こそしませんが、活動を推進できる体力もあり「1台でも多くの車椅子を海外の子どもたちに届けたい」という思いで頑張っています。今後とも多くの皆様の支援を頂戴して活動を継続したいと思います。
2024年12月5日 森田 祐和
(参考)当会の起源は「爆走ことぶきや物語」からご覧ください。
〇1万台達成、20周年記念Tシャツ
20周年、1万台贈呈達成を記念してTシャツを作製しました。今後の清掃・整備に参加してくれるボランティアの皆さんを中心に配布をしていきます。
左の写真、および下図はクリックすると大きくなります。
モンゴル向け107台の車椅子等が東京港を出ました。
2024年11月29日、モンゴルの「Universal Progress 自立生活センター」(代表 アンドラフバヤル氏)に向けた車椅子や、補装具を積載したコンテナー船が東京港を出ました。中継地となる中国天津市の新港に陸揚げされ、そこから鉄道でモンゴルまで運ばれます。ウランバートルに着くのは2~3か月後の2025年1~2月末の見込みです。
同国へは、これまで他の国内団体との共同での発送はありました。しかし、今回は当会単独でのプロジェクトです。このプロジェクトの始まりは、贈呈先の代表であるアンドラフバヤル氏との5月27日の神戸市での面談です。
面談の目的は、当会が考える子ども用車椅子の子どもへの供与と、その管理方法についての意識合わせでした。大人用車椅子とは異なる管理が求められる子ども用車椅子の取扱いについて意見交換をしました。そして、本年内に90台の子ども用車椅子を送る約束をしました。
同プロジェクトは2024年6月に始まりました。以来、6回の例会を経てモンゴル向け車椅子等107台の準備が整いました。今回は、当初予定の90台を超えて107台となりました。このため、コンテナーサイズを20フィートから40フィートに変更しています。また、その内容も車椅子に加えて、バギー、座位保持装置、歩行訓練器、立位訓練器、カーシート、ストレッチャー、バスチェアー、そして補装具も含まれています。当会としては初めて単独で送るので、様々なものを入れることにしました。
車椅子がモンゴルに到着後に、現地での贈呈式の開催をお願いしています。贈呈式の開催が実現すれば、当会の理事や、ボランティア、また支援団体の参加も想定されます。当会の関係者がモンゴルの地へ出かけて、当地の障がいを抱える子どもたちの生活実態に触れることで、より的確な器具の贈呈につながると思います。
なお、本贈呈によりモンゴルへの台数は、158台となりました。さらに、当会が活動を開始して以来の総贈呈台数が1万台を超えました。これは、ひとえに当会を支援してくださる多くの皆様方のおかげです。心よりお礼申し上げます。
2024年12月3日 森田 祐和
〇本船の出航に先立って、11月20日に東京都羽村市の多摩包装工業株式会社にてコンテナーへの積み込み作業が行われました。当日はあいにくの雨でしたが、107台の車椅子等と補装具が積み込まれました。
(写真の見方)掲載されている写真をクリックすると、拡大してみることができます。
梱包済みの車椅子に巻かれている青テープはモンゴル向けを示しています。
ここ最近の試みとして毛布による梱包を行っています。毛布を再利用してもらい、梱包材のごみを減らすための試みです。
(左)補装具を詰め込んだ段ボールもコンテナーに積み込みました。
(右)すべての荷物を積み込み完了し、落下防止の木枠を設置してコンテナーを閉めます。
ひまわり特別支援学校から12台の車椅子などの提供です。
12月とは言え強い日差しに汗ばむような日に、埼玉県さいたま市にあるひまわり特別支援学校から車椅子2台、バギー2台、座位保持1台、歩行訓練器7台を引き取りました。
同校から車椅子を提供していただいているのは、先月の都立鹿本学園と同様に2019年からです。記録で確認できるのが2019年からですが、その前からもあったと思われます。
玄関の入り口ホールには車椅子が並んでいました。トラックが到着すると、集まっていたPTA役員の皆さんと教頭先生が一斉に手伝ってくれて、積み込みはあっという間に完了しました。
「カーシートなども引き取りの対象でしょうか」作業後のPTA役員の方からの質問です。「当会が海外に送る器具の中には、カーシートに加えてストレッチャーやバスチェアーなどもあります。そうした器具も海外では喜ばれます」と説明しました。
これらの車椅子などはネパールへ送る計画であることを報告して、来年も提供くださるようお願いしてきました。
2024年12月3日 事務局
都立鹿本学園から12台の車椅子を提供いただきました。
秋晴れの当日、東京都の東部に位置する都立鹿本学園から10台の車椅子と2台のバギーの提供を受けました。PTA役員の皆さんが車椅子のトラックへの積み込みを手伝ってくれました。
同校からの車椅子の提供は2019年からです。それ以前からも受けているかもしれないのですが、記録がある中では今年で6年目です。当会の活動を支えているのは、このような特別支援学校からの継続した車椅子の提供です。
これはPTAの役員の皆さんの支援があればこそ実現していることです。役員の方たちはほとんどが数年で交代します。それにもかかわらず役員間での引継ぎが確実に行われ、当会へ車椅子の提供をしてくれます。本当にありがたいことで、改めてお礼を申し上げます。
今回の車椅子は、ネパールへの贈呈がその候補ですとお伝えしました。そして、来年も提供してくれるようお願いすると「もちろんです」と快諾をいただきました。
2024年11月27日 事務局
(写真の見方)掲載されている写真をクリックすると、拡大してみることができます。
PTAの役員の皆さんが事前に車椅子を外に出して待っていてくれました。
トラックが到着し、全員でトラックへの積み込みを行いました。有難うございました。
車椅子の積み込みが終了し、役員の皆さんがトラックを誘導し、見送ってくれました。
鹿本学園の建物です。広い敷地にある立派な建物です。校舎以外にも、グランドや体育館、プール、農園などがあります。
ソロモンの弟さんに車椅子が届きました。
2024年8月28日にソロモン諸島出身の留学生サマンサさんに車椅子を渡しました。9月5日にはサマンサさんが車椅子を持って飛行機でソロモン諸島に一時帰国しました。
彼女自身が帰国したのは、ソロモン諸島の首都ホニアラがあるガダルカナル島で、弟さんがお母さんと一緒に暮らしているのは、その島の隣のマライタ島です。車椅子はホニアラから隣の島へ簡単には届かなかったようです。
2024年11月13日にサマンサさんから車椅子に乗る弟さんの写真が届きました。2か月以上の日数が経っていましたが、弟さんと家族の写真を見て、関係者一同が大喜びしました。
通常はコンテナーで90台を海外パートナーに送っている当会ですが、このように個別の贈呈を実現できたことは望外の喜びです。これは、サマンサさんの弟さんとお母さんを思う気持ちから実現したものだと思います。当会から彼女がソロモン諸島に車椅子を運ぶための費用支援をしました。それは、コンテナーで90台を運ぶ時の1台当たりのコストより高いものでしたが、機会があればこのような支援も継続していきたいと思います。
2024年11月19日 森田 祐和
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(左)自宅前で車椅子に乗るサマンサさんの弟さん
(右)車椅子に乗るサマンサさんの弟さんとお母さん(右から2人目)とおばさん(左)と甥っ子さん(右)です。