8月の東京オリンピックに続いて、パラリンピックが8月24日~9月5日の間に開催されました。161の国・地域並びに難民選手団のパラリンピックへの参加があり、当会が多くの車椅子を送っているベトナムからも選手団が来日しました。
その選手団から思いがけない要望が、当会のボランティアで車椅子整備の中心メンバーであるベトナム出身のザンさんを通じて届きました。当会からベトナム選手に車椅子を5台贈呈してもらいたいとのことでした。
日本製の車椅子は高品質なので、この機会に日本製を無償でもらうことができれば大変うれしいと、ベトナムパラリンピック選手をサポートするボランティアのグエン ビンさんから連絡があり、快諾しました。
早速、8月29日にグエン ビンさんが、ザンさんの案内で当会の拝島倉庫に車椅子を引き取りに来ました。当会が保管している車椅子は、子ども用が主なので選手の体に合うのか心配でしたが、倉庫には大人用が数台あり贈呈した5台の車椅子は問題なく使用できるとのことでした。
ベトナム選手団とボランティアは9月6日に新しい車椅子を使い飛行機に乗って、成田空港から帰国の途につきました。車椅子を受け取った選手が大喜びだったとのことです。なお、ベトナム選手団は今回のパラリンピックで、銀メダルを獲得したそうです。おめでとうございます。
これまで使用していた車椅子に加えて、新たに5台の車椅子を飛行機に持ち込むことになったために、その重量が規定を超えて超過料金が発生するところでした。しかし「車椅子が当会からの寄贈品である」ことを証明する当会作成の書面を空港受付で提出し、特例として重量超過料金の免除を受けることができました。特段のご配慮をいただいた日本航空にも感謝申し上げます。
今回の贈呈で、ベトナムから来日した選手団に、日本人の気持ちが少しでも伝わったとしたらとてもうれしく思います。
2021年9月6日 森田 祐和
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(左)選手村で車椅子に乗って選手とサポートボランティアが記念撮影してくれました。
後列右から3番目の金色のアオザイを来ているのが今回の橋渡しをしてくれたグエン ビンさんです。
(右)当会からの車椅子に乗るベトナムパラリンピック選手団です。真ん中の選手が、競技種目パワーリフティング男子49キロ級(運動機能障害)で銀メダルを獲得したレ・バン・コン選手です。コンさんおめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
車椅子の引き取りに拝島倉庫に来た時に記念撮影しました。
左から当会ボランティアのザンさん、パラリンピックサポーターのグエン ビンさん、ザンさんの友人のホアさん、ビンさんの娘のマインさんです。