2025年3月20日、東京在住のTさんが車椅子を1台拙宅に届けてくれました。車椅子の状態は非常に良いものです。Tさんの息子さんは、車椅子の完成後2か月で亡くなってしまったので、この車椅子を使用したのはほんのわずかな期間だったのです。
このように、車椅子を使っていた子どもさんが亡くなってしまい、車椅子を処分することができず、当会に託すことを選択する親御さんがいます。
当会に託す時期は様々です。亡くなってすぐに当会を見つけて届けに来られる親御さんや、亡くなったあと数年間自宅に保管していてその後に当会に託すことを選択した事例もあります。
お子さんが自分の手足と同様に使っていた車椅子は、親御さんにとってお子さんの分身であり、子どもの存在は消えたが車椅子はいつまでも使って欲しいという思いがあるのではないでしょうか。そのような気持ちから、車椅子を当会に託してくれるのだと推察します。
私たちは、使われなくなった車椅子を500台/年間程度引き取り、整備して海外の恵まれない子どもたちに送っています。その1台1台には様々な思いがあるはずです。可能であれば、それぞれの事情を伝えながら海外の子どもたちに届けることができればと思います。
今後も、1台でも多くの車椅子を海外に届けることで、親御さんやお子さんたちの思いを送る橋渡しとしての役目を自覚しながら活動を続けていく決意です。
2025年 3月22日 森田 祐和