2023年4月5日、埼玉県立川島ひばりが丘特別支援学校から29台の車椅子の提供を受けました。その中の1台に写真のレース用車椅子がありました。その重量は、7.2kgと通常の自転車の1/2~1/3という軽さです。フレームはアルミ合金製、前後のタイヤは極細で、転がり抵抗を抑えてスピード重視。フラットなトラックを走る陸上競技用でしょう。見るからにそのスタイルが格好良くレース用であることがイメージできます。
提供をしてくれた川島ひばりが丘特別支援学校の先生の話では、「使っていた生徒が卒業し、その後、使いたいという生徒もいない状態になった。放置されたために修理が必要になってきたが、その費用も捻出できないので、引き取りをおねがいしたい。」とのことでした。
一方、2018年ころ、エチオピアのパートナーから「パラリンピックに出たいという青年がいる。レース用車椅子を提供してくれないだろうか。」という問い合わせがありました。当時、様々な関係者にレース用車椅子の提供を打診しましたが、提供者は現れませんでした。当会として新品の購入も検討しましたが、高額であることがわかり、諦めざるを得ませんでした。
こうした経緯があったので、今回のレース用車椅子の入手は当会にとってうれしいものでした。当時の青年が今もレース用車椅子を欲しがっているかどうかは不明ですが、この車椅子に適切な修理を行ってエチオピアに送ることができればと考えました。
実際にレース用車椅子を発送する前に、パートナーがそれを受け取ることが可能かどうかを確認します。また、車椅子がレース用として正常な状態にあるのかを専門家に見てもらい、機能や安全性を確認します。
レース用車椅子は、これまでの当会の活動の目的である「移動できる喜びを子どもたちに届ける」という生活に根差した車椅子とは異なるものです。しかし、当会の支援により肢体不自由の若者がスポーツができるようになり、生き生きと走る姿を想像しただけで胸が躍ります。整備費用がどのくらい必要かわかりませんが、今回の支援学校からの提供を無駄にすることなくエチオピアへ送れるよう頑張りたいと思います。
2023年 4月14日 森田 祐和