当法人は、発足してから20年が経過しました。多くの方々のご支援もあり、海外の子どもたちへの車椅子の送付台数も1万台に近づきつつあります。しかし、コロナ感染の拡大とロシアによるウクライナ侵攻は、私たちの活動にとって逆風となり大きな壁として立ちはだかっています。
具体的には、車椅子整備活動の参加人数の制限、あるいは活動そのものの休止、それによる大幅な作業進行の遅滞をまねき、未整備での出荷を余儀なくされました。車椅子を未整備で送り出した国はモンゴル、パキスタン、タイ、マレーシアの4か国です。このことでどうにか車椅子在庫の飽和を避けることができています。一方、紛争により、コンテナの手配、運送費の急激な上昇が財務上の危機を増大させています。
そうした窮状ではありますが、最大のニュースはウクライナに送り出すことができたことです。第一回目は在日ウクライナ人からの緊急要請で12台を送りました。第二回目は、大人用車椅子を送るNPOと協働での10台です。現地からは、どうしても子ども用車椅子が欲しいとの要請があることから、すぐに対応しました。現在でも第三回目の声が届くことを想定し、準備をしています。
本来の送付計画の進行どおりに進まなくても、紛争地域からの要望があれば即時対応をいたします。この活動の原点も、覚悟をもって発足した以上、できるだけのことは試みる姿勢をくずすことなく力を尽くしていきます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2023年 元旦 森田 祐和