当会のWEBを見たベトナム・ホーチミン市在住の加藤晴香さんから、子ども用車椅子を提供してくれないかという問い合わせメールが届きました。加藤さんは青年海外協力隊の隊員で作業療法士でもあります。
「私が活動しているのは、ホーチミンにあるリハビリテーションセンターです。毎日150人もの障害児が通っています。車椅子が必要な児は40名程度で、ほぼ全員にベトナムで作られたであろう車椅子はあります。しかし、身体の大きさに合っておらず、背もたれは全て90度です。子どもたちはほぼ1日をセンターで過ごすので、身体に合ったティルト機能やリクライニング機能がついた物を提供したいとずっと思っていました。しかし、ベトナム人はその機能を見たことがありませんし、必要性も中々伝わりません。
不躾なお願いですが、そのような車椅子をこちらのセンターに送って頂くことは出来ませんでしょうか。もし、数台あれば、それを見本に他の車椅子を作ることは可能かと思います。」
ベトナムへの中古品の輸入規制は厳しいものがあり、当会が自前で輸送するのは困難と思われました。しかし、どうにかして加藤さんへ車椅子を届けたいと思っていたところ、当会会員の知人であり日本で貿易会社を経営するベトナム人(合同会社来福貿易 代表 レー・ヴァン・フン氏)から車椅子の輸送を無償で引き受けるとの申し出がありました。
急遽、集まることができるスタッフに声をかけ5台の車椅子を清掃・整備・梱包し、拙宅からベトナムへ輸出をしてくれる来福貿易に発送しました。名古屋にある来福貿易からホーチミン市に到着するまでには1~2か月を要するとのことです。時間はかかりますが、今まで届けることができなかったベトナム南部へ5台の車椅子を届けることが可能となりました。嬉しい限りです。
2020年3月 森田 祐和