パキスタンへ80台を送ります。

 コロナ禍で大きな制約を受けているために十分な活動を行うことができない状況ですが、車椅子を必要としている海外の子どもたちに届けたいという思いから、様々な人たちと連携することで車椅子の贈呈の実現を図っています。

 当会は、多くの支援学校などから子ども用手動車椅子引き取りますが、時々、電動車椅子が入ってきます。当会は電動車椅子のメンテナンスなどができないので海外に送ることはしていません。これまで、NPO法人「さくら車いすプロジェクト」(東京都墨田区:斎藤 省 氏)に渡して活用して貰ってきました。

 同プロジェクトは、2011年に設立され、アジア各国の障害者リーダーに中古電動車椅子を送る活動を継続的に行ってきています。特にパキスタンと関連が深くこれまでも多くの電動車椅子を送っています。今回は、同プロジェクトの90台の電動車椅子の送付と一緒に、当会からは80台の手動子ども用車椅子を送ることにしました。

 子ども用車椅子の送り先は、パキスタン・ラホールの「マイルストン特別な人のための協会」(MILESTONE Society for the special persons)です。彼らは、「障害者(Disabled Persons)」の呼称を「特別な人(Special Persons)」に改める運動を展開していて、組織の名称にも「特別な人」を用いています。

 マイルストン協会は、「特別な人」への車椅子提供による支援はもとより、現地での車椅子の補修、整備を障害者自らが行い、更に車椅子の生産をすることも行っています。今回の子ども用車椅子は、未整備でお届けし現地での整備、再生をマイルストン協会に実施してもらいます。技術力があるので安心して任せることができます。

 同協会は車椅子を贈る活動以外に、各種障害者スポーツ大会へ選手を参加させ優秀な成績を収めることや、学校への入学や雇用の場での障害者枠を確保する法律を施行させるなどの社会改革運動にも取り組んでいます。このように優れた団体であることから、さくら車いすプロジェクトの代表である斎藤氏の力を借りて、当会としても子ども用車椅子を同協会に送ることを決定しました。

 さくら車いすプロジェクトがパキスタンへの船の手配をしてくれました。その船に車椅子を載せるため、4月2日に茨城県坂東市でパキスタン向け車椅子のコンテナー積込み作業を行いました。コンテナー内部に木製棚を設置し、一台120kg近い電動車椅子90台を下段に、子ども用手動車椅子80台を上段に積み込みました。

 4月第一週に横浜から出るコンテナーはパキスタン・カラチ港経由で陸路ラホール市まで約2ヶ月をかけてマイルストン協会に届く予定です。

2022年4月4日      事務局


(左)40フィート・コンテナーにトラックを横付けして、車椅子を積込みます。
(右)上下2段に積み分けます。上段には、当会からの子ども用車椅子80台を、下段には電動車椅子90台を積み込みました。


積込み作業後、全員で記念撮影です。後列左から森田会長、斎藤代表です。

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