車椅子を贈られたインドの子どもたちの様子

2016年10月にインド障害者福祉協会JAN VIKAS SAMITI(JVS)へ90台の車椅子を送りました。そのプロジェクトの報告書がインド障害者福祉協会から送られてきました。その報告書の中に、2人の子どもたちが車椅子を手に入れてどのように変わったかをレポートしてくれています。その内容を抜粋して下記に記載します。
(報告書の全文:日本語版は こちら から。英語版は こちら から)

〇車椅子での新しい生活を体験しているサルマン
サルマン写真 Jan Vikas Samiti(JVS)から車椅子を贈られたサルマン(Salman S K、8歳)は、非常に貧しい家庭の出身で、両親は彼のために何かを用意する余裕などなく、教育について考えたこともなかった。息子の障害を理解できず、劣った重要でない存在とみなしていたのである。それまでの彼の移動は、すべてそうした両親に依存せざるをえなかった。
 今、彼は喜んで車椅子で学校に通っている。 彼の兄が登下校に付き添い、家の中だけでなく外にも連れて出ている。サルマンは親戚や隣人の家に行き、社会活動、宗教活動、学校での文化活動に参加している。 彼は社会から受け入れられ、学校の両親や先生に愛されていると感じている。 彼は学校にとって当たり前の存在になったのである。そのことでサルマンに独立心も芽生えた。車椅子は、重要な移動の手段となり彼と家族にとって幸せの源となった。 家族は「海外に子ども用車椅子を送る会」がサルマンに、生きる喜びと生命の源泉を与えてくれたことにたいへん感謝している。

〇車椅子が子どもと両親を救済する道をもたらす
ビブハ写真 ビブハ(Vibha)は10歳の脳性麻痺児である。 家族は23人の大規模な共同家族で5人の姉妹がいる。 ビブハは正常に生まれたが、黄疸の影響と、適切なケアと投薬の不足で脳性麻痺の障害が出た。
 彼女は完全に寝たきりだった。 両親は彼女が成長できると思わず、彼女は死のベッドにあった。 体中に床ずれができて、誰も彼女が生きのびることはないと思っていた。
  Community-based Rehabilitation:CBR(地域に根ざしたリハビリテーション)コーディネーターは家族全員と話をし、 そのことが家族の転換点になった。 母親はCBRメンバーの無私の奉仕を見て、自分も娘の世話を始めた。ビブハの母親は車椅子を受け取ることで安堵した。 彼女は、ビブハが車椅子を使うようになって非常に快適だと言っている。 彼女の生活は大いに改善された。それまでは、 ベッドでいつも泣いていたが、車椅子に座わるようになって彼女は静かにしているようになった。 母親は、彼女を農場に連れていくことができ、兄弟は村のあちこちに彼女を連れて行き、一緒に遊ぶこともできるようになった。
  ビブハには成長できる可能性が大きく広がっている。 母親は、今では娘が成長し普通の生活が送れるようになることを願っていて、家族は娘と自分たちの生活環境が改善されてとても喜んでいる。 また、JVSと「海外に子ども用車椅子を送る会」のおかげで、娘が自由に動きまわれるようになったことに感謝している。
 2017年7月9日 事務局 記

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