エチオピアへの贈呈式に参加しました。

 エチオピア北部デシエ市での贈呈式に参加し2月28日に帰国いたしました。今回もドバイ経由でした。エチオピアに車椅子をお届けするのは三回目です。

 受け手であるチェシャ財団では、今後も継続送付を望んでおり、その費用面で互いに補完できれば可能であるとお伝えはしておきました。

 子どもたちの家庭訪問は、急峻な山を背にした家々でした。斜面、坂道が多く、4WDの車さえ登れない家もあり、徒歩で訪問もしました。かなりの困窮した粗末な家ばかりで、子ども達が暗い部屋の中で座っており、こちらのアンケートに対し、涙を流す母もおり、どうしようもない現実、我慢をしてきた毎日に耐えきれなかったのでしょう。こうした母子に接し、いまだ学校もなく、リハビリにも行けない現実と将来も見通すこともできない姿に、胸が苦しくなりました。解決できる提案すらできない自分の無力さを感じたからです。

 それでも、海外から高価な車椅子がお届けできたわけですから、天井を見る生活から座位を保てたこと、外に出ることができることだけでも幸せだろうと自分に言い聞かせました。

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 デシエ市は観光地ではなく、高地に広がるすり鉢状の街並みでした。おそらく標高2500mくらいでしょう。朝晩は結構冷え込みます。この乾燥地帯にもかかわらず、夜半になると雨が降り続けました。困ったことに頻繁に電力がなくなり、電話の充電もできず時間がわかりません。寝坊するのではないかとの恐怖感に襲われました。眠りも浅く5時半にコーランの祈るような声が街に響きわたり、よい時間の目安になりました。

 日本人は珍しく、この街では一人も会いませんでした。頻繁に中国人と間違えられ、すぐ日本人だ!と否定しました。この一点だけは絶対に譲れないのですが、黒人社会ではわからないのでしょう。私たちもケニア人とエチオピア人がわかりませんから。道にはロバ、牛、ラクダ、羊、鹿、ヤギなんでもありでした。移動中、信号ゼロ、運転手が車をかっ飛ばし、人はいなくても動物との衝突がありそうでひやひやしました。でも回避する方法がわかりました。動物は後ろ向きに歩かない習性がわかると私にも運転できそうです。

いきなり現地で床屋に行きました。好きなのです床屋が。天然パーマの中にいきなり日本人が入ってきて、スタッフが緊張していておかしかったです。この国、はさみは使わず、電気バリカンです。またほとんど人が丸坊主。イヤー丸坊主でもいいかと観念しました。運よく意味が通じてだいじょうぶでした。90円です。なお洗髪はありません。

2016.3.5  森田祐和

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エチオピア・デシエ市内の様子(写真をクリックすると大きくなります)

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車椅子で喜ぶ親子と一緒の森田(写真をクリックすると大きくなります)

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